ヒトは水で出来ている

こうして自分の体を眺めてみると、60%が水分で構成されているなんて想像もつかないのですが、
人間の体というのは水分が半分以上を占めているのです。
胎児ではなんと95%、新生児では80%、子供たちは70%という水分で体が構成されています。
つまり、水なくてしては人の体は創られない、ということになりますね。

細胞内液と細胞外液に分けられる体内の水ですが、この細胞に関連する水分は体内水分の約2/3というすごい割合です。
この残りが血液やリンパ液、さらに細胞と細胞の間に存在する「細胞間液」としてりようされています。
水分が約90%という血液は、酸素、栄養分、ホルモンなど体にとって重要な役割を果たす成分を運ぶという働きを持っています。
そして、同時に老廃物などの物質を体外に排出するという働きを持ちます。

この水分調節は腎臓が関連してきます。
血液は腎臓を通過しクリーンな状態にされます。
体内に老廃物がたまらないように腎臓によって濾過し、体をくまなくめぐる血液の状態を保っているのです。
血液の中に含まれるたくさんの水をろ過し、体に必要な水分を吸収、必要のない扶養物を尿として暴行へ送り排出します。

水分の補給が少ないと腎臓がそれをキャッチし尿の濃くして水分の排出を最小限にし、多すぎると必要ない分を尿として排出する。
水分量のバランスをサポートする腎臓にも、水はとても大切なものなのです。

さて・・・このほかにも、体の60%を占める体内の水分は、温度調節を行うということにも一役買っています。
平熱は36度から37度くらいといわれていますが、体温が40度ともなると命にかかわる危険性が出てきます。
体温をうまく調節するために水はとても重要なんです。

体に熱が出てくると汗をかいて熱を放出します。
水は蒸発する際に熱を放出するという性質があるため、皮膚表面温度が下がります。
こうして汗、つまり水によって体温の調節をうまく行っているのです。

人の体には水分が実に多い。
これは、人の体の維持、生命維持のために必要な水分量なのです。
様々な面で未熟な胎児や新生児、お子さんの水分量が多いというのはまさにこの調節を行うためのもので、
人の体は実に理にかなった状態に作られている奇跡の物体です。

水がなければ人は体を機能させることすらできない。
人と水の関係は実に深いのです。