日本の水は軟水が多い

水は雨や雪が長い時間をかけて岩石や岩盤などに浸透し、その過程で様々な鉱物などを溶かし込んで生まれます。
この様々な成分を含んだ水が湧き水などによって湧き出してきて生活に活かされているのです。
この溶け込む鉱物の違い、配分などによって水は軟水と硬水に分けられますが、日本ではそのほとんどが軟水です。

日本の水はなぜ軟水が多いのでしょう。
それは水が地下にとどまる期間が短く、岩などから水に溶け込むミネラル成分が少ないために軟水が多いといわれています。

日本は国土面積が小さいですね。
よって海外から比較すると川の長さも違いがあります。
日本の川は短く地表に出てきてからも岩などに接触しミネラルを溶かし込む時間が短いというのも、軟水が多い理由でしょう。

逆にヨーロッパなど海外では、石灰岩が多いという地域の特性や地下水として滞留する期間が長くなるのです。
そのため、岩などから溶け込むミネラル成分が豊富となり硬水となります。

日本では超硬水と呼ばれるくらいのミネラル含有量、200から300以上という硬水の水も、海外には存在します。
ですが、こうした硬度の高い水を飲むと、硬水になれていない日本人は腹痛や下痢を起こしてしまいます。

海外でも水道水など地下水をそのまま利用しているところでは、水道水を飲みません。
水の硬度が高いため、飲料水としては適さない場合も多く、水道水を飲まないということもあります。
そして、濾過や浄水機能があまり発達していない地域もあり、水道水は飲料水として利用しないということもあります。

海外旅行に行きシャワーを浴びて石けんで体を洗う時、いくら泡だてようとしても石けんが泡立たないという経験をした方が多いと思います。
硬水にはミネラル成分であるカルシウムやマグネシウムが豊富に含まれているので、
石けんの脂肪酸と結合してしまい水に溶けず泡が立たないのです。

日本では軟水がほとんどなので、軟水に適した調理法で作る煮物や味噌汁、ゆで野菜などを食べます。
ですが、フランスではほとんどが蒸し物、炒め物が多く、
煮るといってもワインや牛乳などを大量に用いて長時間煮込むという調理法が多くなります。

これはフランスのお水が深く関係していることで、
ミネラル成分の多い硬水のため、その硬水でおいしく作れる料理、調理法が利用されているのです。